アクス代表 山田裕プロフィール
山田 裕 経歴
1987年 株式会社アクス入社、入社後は、副工場長として現場に従事し、非鉄ミックスメタルの選別業務を行いながら、
障がい者の雇用・指導を行う
2004年 取締役総務部長に就任
2005年 株式会社A・K・Sの代表取締役に就任
2010年 株式会社アクスの代表取締役に就任
現在に至る
社外での委員・パネリスト等の経歴
アクス代表 山田裕へのQ&A
Q1:まずは、アクスへの入社のきっかけを教えてください。
A:そうですね。株式会社アクスが設立されたのが1986年で、私が高校を卒業したばかりの時でした。
高校卒業後は、大学に進学していたんですが、創業社長(現顧問)から連絡があり、会社が忙しく
なってきたので戻ってきてほしいといわれ、1987年に入社しました。
Q2:入社後の業務は、どのような内容だったんですか?
A:はい。副工場長として現場に入りました。当時は鉄やアルミ、ステンレスなどのスクラップ&リサイクル
事業を営んでいましたので、その業務をしつつ、現場では障がい者の雇用や指導に従事していました。
入社後、20年ぐらいは、専らこれらの業務経験を現場で積んでいましたね。
Q3:実際に現場畑を歩んでこられた中で、外に出られるようになったのは、何かきっかけがあったんですか?
A:平成16年に取締役総務部長に就任して、社長交代に向けての準備を考えていたころ、
知り合いの方に「社長になるんだったら、もっと外に出た方がいい。役員に就任したからには、れっきとした
経営者ですよ!」と言われて、元松下電器の人事部長が講師のセミナーを受講したんです。
このアドバイスを頂いた方も講師としてこられていたセミナーだったんですが、起業家としての姿勢や、
経営者としての心構えを先人の立場で教えて頂いて、非常に勉強になった記憶があります。
当時の私は、現場現場の毎日でしたので、いざ、経営者になると言われても、あまり自分の立ち位置が
理解できていなかったところがあったので、アドバイスを実践してみてよかったと思っています。
Q4:アクスの代表に就任される前に、関連会社のA・K・Sの代表に就任されていますよね?
A:これは、私がアクスの取締役に就任した翌年、前社長が大病を患いまして、入院を余儀なくされたんです。
その後、無事に退院できたのですが、経営者としての覚悟を求められたといいますか、社長交代に向けて
明確に期限を区切らないといけないなと思ったんです。
ちょうどその頃、自社で関連事業に取り組もうという話もあったので、社長の勉強を兼ねて関連会社A・K・S
の代表に就任し、2010年にアクスの代表に就任させてもらいました。
Q5:現在は、障がい者を雇用するだけではなくて、障がい者の雇用に取り組もうとする企業のコンサルティングも
手がけられているんですよね。このお仕事を引き受けるきっかけは何かあったんでしょうか?
A:これは、ある障がい者施設の施設長の方からアドバイザーとして来てほしいといわれて、行かせて頂いたのが
きっかけです。この施設長のお悩みが「新しい事業を受託したいけど、既存の業務の生産性が全然上がらないので
困っているから、山田さん一度職員会議に参加して、問題点があればアドバイスしてほしい。」ということでしたので、
実際に参加させて頂いたんですが、私から見たら問題は一目瞭然だったので、即座に皆さんに私が感じたことを
お伝えすると、会議に参加してから3か月後には、障がい者施設の生産性が3倍になったんです。
実際に、生産性が上がると、施設長や職員の方はもちろん、何より障がい者自身の自立が促進されることを
私自身も体感できたんです。
今まで、障がい者施設の業界では、あまり生産性や収益性という面について、あまり重視されてこなかったんですが、
これでは、障がい者施設自体の自立運営に支障をきたしてしまいます。
私としては、障がい者自身の自立はもちろん、障がい者施設が一企業として自立する環境も支援したかったんです。
私自身は現場で20年間、障がい者の雇用に向き合ってきた中で培ったノウハウを、障がい者施設や、障がい者を
これから雇用しようとする会社、実際に雇用しているけど、指導方法に苦慮している会社に向けて提供することで、
障がい者雇用の人数の増加や、障がい者自身が生き生きと働ける職場が増えるのではないかと思って、
コンサルティングの受注を引き受けることにしています。
Q6:最近では、アグリ事業として農業に取り組んでおられるとのことですが、これを始めたきっかけを教えてください。
A:これは、創業社長(現顧問)から10年ぐらい前に、障がい者雇用と農業がマッチングする時代が来ると言われてまして、
私自身も、障がい者施設を回っていて、障がい者に見合った事業を模索していたところ、循環型の農法で
野菜を育てている方に出会ったのがきっかけです。
この方は、もともと産廃業者をしておられたようで、当時、野菜のカット工場から出てきた野菜くずを引き取る仕事を
している中で、この野菜くずから堆肥と液肥を作ることに成功された方なんです。
水質浄化もできる仕組みで、完全な循環型農業という手法に、私自身が惹かれたこともあるんですが、
何より、この農法で作られた野菜は、
①高付加価値である、
②循環型農法なので環境に良い、
③障がい者が働ける環境が提供できる、
④高付加価値な商品が提供できるので、障がい者施設、障がい者自身が自立できる、
という点で、私の中でイメージがつながったんです。
Q7:今回、アイコという品種のトマト作りに取り組んでおられるとのことですが、なぜトマトだったんですか?
A:実際に野菜を作るとなっても、いろんなものがあります。私としては、障がい者が取り組める仕事で、
なおかつ、収益性が見込めるという点がポイントだったんです。
あと、農地にこだわらなくていいということと、高額な農機具を買う必要もないという点も大きかったですね。
現在は、愛知県の愛西市にあるハウスをお借りして、トマト栽培に取り組んでいます。
おかげさまで、たくさんの方からお問い合わせを頂いております。
Q8:最後に、山田社長目指される、株式会社アクスの今後についてお聞かせください。
A:今後は、農業に特化した取り組みを積極的に展開したいと思っています。
現在の愛知県での栽培は継続して、新たな栽培場所を作って生産量を確保すること、
あとは宇治田原の本社にも、障がい者の方々に実際に職業訓練もして頂けるよう
ハウスを設置して、コンクリートの上でも農業が実践できることをお見せしたいですね。
私の想いは、日本中で一人でも多くの障がい者がイキイキと働ける環境づくりを目指すことです。
この想いを実現できるよう、これからも業務に邁進します。